BIツールや分析基盤への投資を行いながら、「思ったように使われていない」「レポートの数値が信用されない」という声は珍しくありません。その原因の多くは、ツール側ではなくデータそのものの品質にあります。
データ活用の失敗、実は「ツール」より「データ」の問題
DX推進の文脈でBI・AI活用の議論が活発になる一方、「データが整っていない」という根本的な課題が後回しにされるケースが多く見られます。ツールを導入しても、入力されているデータが不正確・不完全・バラバラであれば、出てくる結果も信頼できません。
実際、Gartnerの調査(2018年)では、データ品質の問題によって組織が被る損失は年間平均1,290万ドルに上るとされています。日本国内でも、現場担当者がExcelでデータを手作業で修正し続けているという事例は非常に多く存在します。
DX推進を阻む3つの壁
根本原因は「データの問題」——ツールより先にデータ整備が必要
データ品質とは何か——5つの観点
データ品質は以下の5つの観点で評価できます。いずれか一つでも問題があると、分析や意思決定の精度が大きく下がります。
- 完全性:必要な項目に欠損なく入力されているか
- 正確性:実態と一致した値が記録されているか(フォーマット・入力ルールへの適合性を含む)
- 一意性:同一データが二重登録されていないか
- 整合性:複数のシステム・部門間で定義と表記が統一されているか
- 最新性:データが適切なタイミングで最新の状態に保たれているか
データ品質が低いと現場に何が起きるか
品質の低いデータは、現場に具体的な問題を引き起こします。
- BIレポートの数値が部門によって異なり、会議で紛糾する
- データ分析の前処理に時間がかかりすぎて、肝心の分析に手が回らない
- AIモデルに学習させると精度が出ず、原因がデータなのかモデルなのか判断できない
- 基幹システムのマイグレーション時に、データの不整合が大量に発覚する
データ品質低下が現場に引き起こす問題
品質問題
こうした問題は「現場の運用が悪い」として片付けられがちですが、実際にはシステムや組織の構造的な問題として発生していることがほとんどです。
「まず診断する」という考え方
医療と同様に、データ活用においても「治療の前に診断を行う」という発想が重要です。何がどの程度問題なのかを定量的に把握することで、どこから手をつければよいかが明確になります。
「まず診断」——4ステップのアプローチ
現状把握
6次元スコアで定量評価
課題特定
根本原因を分析
優先順位付け
影響度×難易度で整理
改善実行
ロードマップを設計・実施
BFT Insightのデータ品質診断では、保有データを6つの観点でスコアリングし、リスク箇所と改善ロードマップをレポートとして提供します。診断期間は約2週間。BI・AI導入の前段として、あるいはデータ整備の優先順位付けとして活用いただけます。
よくある質問
BIツールを導入したのに活用が進まない原因は何ですか?
BIツールが活用されない最大の原因は、ツールではなく入力されるデータの品質にあります。集計値がシステム間でずれている、レポートの数値が信頼されないといった状態ではツールがあっても意思決定に使われません。まずデータ品質の現状を把握することが先決です。
データ品質の改善はどこから始めればよいですか?
「どのデータが・どの程度の品質にあるか」を診断することが出発点です。完全性・正確性・一意性・整合性・最新性の5つの観点から現状をスコア化し、BI・AIへの影響度が高いデータから優先的に整備する進め方が効果的です。
データ品質の問題はIT部門だけで解決できますか?
IT部門だけでは解決できないケースがほとんどです。データの意味や正しい値を判断できるのは業務部門であることが多く、クレンジングの方針決定には業務知識が不可欠です。IT部門と業務部門が連携してデータオーナーを定め、共同で取り組む体制が必要です。
サービス概要
2週間でデータ品質を可視化。定量スコア・リスク箇所・改善ロードマップをセットで提供します。まずは資料でサービス内容をご確認ください。
まとめ
データ活用を前に進めるための第一歩は、ツールの選定ではなくデータの現状把握です。「うまくいっていない」と感じている段階でこそ、データ品質の診断が有効に機能します。