BIを入れたのに、会議でExcelを開く理由
数百万円をかけてBIツール(ビジネスインテリジェンス:データを可視化・分析するツール)を導入したにもかかわらず、会議室では担当者が手元のExcelを開いている——この光景は多くの組織で繰り返されています。「BIの売上と自分のExcelが合わない」「先月の数字がまた変わっている」。こうした声が重なるうちに、BIは信頼されない存在になっていきます。
しかし原因はBIツールにあるのではありません。BIは入力されたデータを忠実に集計・表示するだけです。問題はその元データの品質にあります。
品質問題が経営に波及するまで
データ品質の問題は、現場の入力ミスや定義の不統一から始まります。それがBIに集約されると数字に矛盾が生じ、担当者はBIを信頼しなくなります。すると各自がExcelで独自集計を始め、会議では「どの数字を使うか」の議論が発生します。経営層は正確な状況を把握できないまま判断を下すことになり、意思決定の質が下がります。データの問題が経営の問題になるまでの因果連鎖は、意外なほど短いのです。
抜け出せない悪循環
BIへの不信感が生まれると、各部門が独自のExcelを作り始めます。するとデータの定義や集計方法が部門ごとに分裂し、矛盾がさらに拡大します。矛盾を解消しようとExcelを手作業で修正する人員が増え、その修正作業自体が新たなミスを生みます。この悪循環から抜け出すには、BIを改善するのではなく、元データの品質を改善するという発想の転換が必要です。
品質を直すとBIが「使われる道具」になる
データ品質を改善すると、BIの数字が信頼される環境が生まれます。会議では「数字の確認」ではなく「戦略の議論」に時間を使えるようになります。各部門の独自Excel集計がなくなり、業務工数も削減されます。そしてBIのデータをそのままAIや予測分析に活用できるようになるため、DXの次のステップにも進みやすくなります。BIへの投資対効果を最大化するための前提条件は、データ品質の改善にあります。
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